カーディナルの復活

渓流釣りに少し飽きていたのかもしれません。当地ではあまり流行っていない釣りです。誘いは専らソルトですから単独釣行が殆どになり、段々と渓が遠くなりました。カーディナルが復活する意味も消えかけていたのです。
この夏の始めに、ある有名なフライフィッシャーのスクールと言えば言えなくも無い集まりに参加しました。その方の大ファンだった僕は知人からの誘いに喜んで参加したのです。集まりの中には初心者の姿もあり、過ぎた日の自分の姿と重なりました。
曰く、満更でも無いと。単純なもので、そうなんだと思いました。渓への想いがにわかに甦ったのです。
実際に渓へ向かうには色々と準備が必要でした。フライを巻き、リールに巻かれたラインを磨き上げ準備を整えました。しかし、所帯持ちの宿命と言うものでなかなかタイミングが合いません。ついには痺れを切らし、真夏の炎天下、真っ昼間に釣行しました。当然の坊主でした。ただ、久しぶりに流れの中に立ち込みロッドを振る時間がとても心地良いものだと気付いたのです。家に帰りカーディナルの修理を始めました。ノウハウは蓄えましたから一番のカーディナルになりました。その次の釣行で無事に復活を果たし、今は新入りのオリジナル33と共に気まぐれな僕に付き合ってくれています。