釣行記2014/4/26.27

 久しぶりの釣行のために、前日からフックをチェックして、スプールには新品のラインを巻き、準備万端。あとは釣るだけ。
 恒例の(笑)遠征者を迎えての釣行先はいつもの奈半利川。ここ、好きです。 
 過去には爆弾低気圧に撃沈されたこの季節の釣行は少々心配ではあったが、その点は杞憂に終わり、上々の行楽日和となった。同行のSK君。新潟から家族連れでの遠征。無論、彼以外は普通の行楽。みんなで高知を楽しんで下さい。
 SK君とはカーディナルが縁を繋いでくれた。不思議なものです。新潟に友人ができるとは思ってもみなかった。今日は先輩についていらっしゃい(大笑)。
 えと、なかなか僕の作業場から出ない。リール談義に花が咲く。どれどれ、おおシャンパンだ。くるくる。ねえこれ、ベアリングはどこに入ってる?こことここ。たった四つ。すげ。こんなことばかり言っていても良いのだけども、やっぱり川へ行こうか。
 車中でもなんやかんやと話は尽きない。良いもんだ。
 本流筋は水が少ないので少し上流に向かう。一か所目、厳しそうだが渓相は良い。獣よけに爆竹を鳴らし、入渓。四国にも熊がいることは知っていたが、最近になって、目撃情報が耳に入り、臆病が服を着て歩いているような男は暫時爆竹を入手していた。パンパン。
 水は少ない。よさげな所にミノーを投げ入れるも、反応はない。先に進む先輩。後に続く後輩の図。あまり良い思い出の無い淵。キャスト。うん。チェイス。後輩に譲る先輩。そしてさっさと良さげな瀬を探る。きたあ。びくう。あっさりと釣るかわいい後輩。良かったね。黙々と瀬を探る私。またきたあ。遠慮なく釣る同行者。口数の減る私。お願い、だれか慰めて。漸くのヒット。しかしバラし。うう。
 横目で同行者のミノーを探りチェンジ。今度こそヒット。無事にキャッチ。小ぶりでも可愛さ一入。
 しかし、そのあとはチェイスもなく時間だけが過ぎてゆく。
 むう。まずい。ようやく我に返り、頭を使う先輩。次のポイントで出なければ河岸を変えよう。出ない。斜面を這い上がり、道に出る。
 午前10時を少し回ったくらい。車を走らせながら話をするが、後輩の口数が少ない。横目で見ると、目を閉じている。ああ、無理もない。夜通し走ってきたのだ。少し考えて。今から昼飯を調達に行くから。楽にしてて。そう言い、山道をジムニーで走っていく私。横で寝・・・られないか(笑)。
 馬路村という小さいが活気のある山村のパン屋さんで調理パンを食べながら午後の行先を思案していると、後輩が家族に連絡を入れる。良い父親である。今、イルカと遊んでいるそうです。イルカかあ。七尺くらいかな。さぞ引くんだろうなあ。中睦ましい家族と、馬鹿な釣り人がここにいた。
 腹も膨れたことだし、あとは釣欲を満たすだけである。いざ。
 こんな所、さっき通ったかな?どこに行くんです?ああ、さっきの所。通ったんじゃないですか。そ、そうか?あれ?舗装が切れてる。しっかりしてくださいよ。Uターン。ここだろう。そうそう、ここ、ここ。また道が切れてる。無言でUターン。ようやく見慣れた道に復帰。ほっ。
 二か所目。少々狭いが、魚影は濃い。後は今日の水量。やはり少ない。まあ、なんとかなるでしょ。入渓。
 のっけから、難しいキャスト。岩盤ギリギリに投げ入れ、しきりにミノーを泳がす。ゆらっ。いた。もう一度、さらにギリギリにキャスト。ここでどーぷミノー殉職。うう、ごめんなさい。しかし、予想通り魚影は濃い。相棒と二人で楽しく遊ぼう。
 それにしても、この相棒。止めると言わない。もう、水も途切れ途切れで、そんなところに魚など・・・居るから(笑)。
 たっぷりと遊んだ休日の夜は、高知の魚料理を楽しんでもらえたようで、一安心。
 二日目。 
 時間がないので昨日より素早く判断しなければね。
 カーチスクリーク。そんなたいそうなものではない。要するに地元。期待と不安をそれぞれの胸に抱き、藪の中を進む二人。水音が聞こえてくると、少し安心。
 二台のカーディナルを並べて写真を撮る。傍らにでかいあめごが居ればなと、思う私。昨日からサイズが出ない。数には十分に満足しているのだが、総じて小さい。せめてもの救いは、どれも綺麗なあめごたちで、二か所めの渓ではネイティブそのものといった、ワイルドな姿で私たちを悦ばせてくれた。果たして今日は。
 昨日の川より短く、急峻な川である。すぐに水が出て、すぐに引く。出会いのチャンスは少ない。しかし、出れば・・・・・。
 私の不安をよそに相棒にすぐ、ヒット。小さなポイントをフォアハンドとバックハンドで挟んで釣りあがる。ポツリポツリとヒット。もうすぐ大場所。期待に胸が膨らむ。過去には尺も出た。
 キャスト。キャスト。キャスト。出ない。ここで出なくて、どこで出る。キャスト。やはり出ない。足元をじっと見る。昨日か?足早に釣りあがり、退渓する。
 車に戻り、来た道を下って行く。途中、良さげな流れにあっさりと後ろ髪をひかれて入渓。ただ、流れが弱く、難しそうだ。
 ラストチャンスなのだが、二人とも諦めではなく、何か清々しい気持ちでいた。家族も自分達も楽しい休日を過ごすことができた。魚のサイズだけではない充実した時間を過ごすことができた。楽しかった。
 キャストの間隔が長い。残りの時間をゆっくりと過ごしているかのよう。数匹のチェイスと、バイトがあり、そしてばらした。
 そろそろ上がりだ。これが最後。そういって投げた相棒の竿の向こうで水しぶきが上がる。でかい。実際は8寸ちょいのあめごだったが、二日間で見たことのないサイズだった。もんどりうつあめご。こらえる相棒。ばらすな。ばらすな。ばらすな。無茶な声援を送る私。
 無事にキャッチ。二人とも大喜びなのは言うまでもない。朝と同じように二人のタックルを並べて写真を撮る。違うところは傍らに良いあめごが居ること。ひとしきり写真を撮り、本当に最後の最後にドラマを見せてくれたあめごに感謝しながらリリースした。
 家に帰ると、それぞれの家族が迎えてくれた。これが何より有難いと思う。
 さて、また頑張るかね。