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5月に入ってから頻繁に出くわすハッチの中で、ここで#16のクイルゴードンを投げれば。そんな事を考えながらずっとスプーンを投げていましたが、じゃあ投げてみろよと、言い訳がましい僕にもう一人の僕が後ろから頭を小突きながら言うのです。
投げてやる。きっと爆釣だ。
朝まで降っていた雨がぴたりと止み、下手くそなフライマンの背中を押すかの様ですが、何故か足が遅くて、出掛けたのは昼過ぎ。いつもながら、少し遅い。
渓に着いて身仕度を整えて手にした物は、あれ?カーディナル?
水が割合に出ているので或いはでかい奴が出るのではと思い、ミノーを結びます。結びながらふと地面に目をやれば新しい目印が落ちています。良く餌釣りの方が使う奴です。それと、くっきり足跡。何やら言い訳には十分過ぎる材料が見つかったようですが兎も角、ミノーを投げてみます。
本命ポイントを二ヶ所探りましたが無反応です。三番目を前にし、道路を見れば自分のジムニーが見えます。タックルを換えに戻るなら今か。思いながら、キャスト。ヒット。小さなアメゴが先ずは釣れましたが、正直な所、つまらない。大物だけが喜びを与えてくれるのでしょうか。今しがた手にした位の小さなアメゴにも大喜びした事も有った筈。僕は釣果にこだわり過ぎているのです。何か違和感が有ります。
小さなアメゴをリリースしながら流れに目を移すと、パシャッ。ライズが見えました。
フライを持って来て投げてみましたが無視されています。別の筋にフライを落とすと釣れてしまいました。何だかおかしくて苦笑い。周りには誰もいないのが余計滑稽です。
ポイントを移動しながら時折フライを投げてみますがやはり居るべき所にしか居ない様です。その後は余りぱっとせず、大物の影も形も無くて見事に同じサイズが三匹釣れてくれました。大物には憧れますが、これが僕に合っているのでしょうね。