おさらいドラグシステム

久しぶりにドラグの話しを少し。
リールのドラグだけでは無く、摩擦力で制動する仕組みなら全て同じだと思いますが、固着と滑り。スティック&スリップと言っていたと思いますが、この現象をコントロールする事が肝心です。固着は摩擦面が噛み込んでいる事が原因です。滑りは各々の凸凹が乗り越えておきます。何も考えずに二つの摩擦材を、ぎゅっとずらすと初めは抵抗が有りますが、滑り始めるとつるっと行ってしまいます。一旦乗り越えてしまえば凸凹が噛み込む前に滑りますから静摩擦力よりも動摩擦力が小さくなるわけです。
話しをリールのドラグに限定していきます。ドラグディスクは大抵は金属製でドラグワッシャ―は大抵はフェルトです。違う物も有りますが、ここでは無視します。
ディスクとフェルトの間にグリスが在りますが、ここではひとまず置いておきます。
金属製のドラグディスクの微細な凸凹にフェルトの繊維が入り込もうとしますが、縦横無尽に有るフェルトの繊維はなかなか入り込めません。が、中には根性のある繊維も有るのでしょうね。固着します。或いは繊維そのものが変形して凸凹に入り込むのでしょう。
この厄介な固着を防ぐ方法はドラグディスクの凸凹を無くす事です。ぴかぴかの面にはフェルトの繊維も噛み込めません。
次に、静止摩擦力よりも動摩擦力が低下しない為に必要な物は、比較的に小さな力で壊れやすく(固着の原因の噛み込みを無くします)、かつ復元されやすい(摩擦力の低下を防ぎ、なおかつその復元力で摩擦力を増大させます)物。グリスが必要です。
ドラグにおけるグリスの役割は滑る事だけではなく、粘り強くくっつく事です。

僕の考えるドラグ理論はこうです。後は実践。