黒檀ハンドルノブ・敗因



敗因と言ってしまいます。これほど時間が掛かってしまってはオーナー様にも申し訳ありません。一週間余計でした。
カシュー塗料が黒檀に乗らないのは何故か。下地の処理が不十分な為だと思います。それなりの理由が有ったので、敢えて不十分なままで仕上げたかったのですが。結果として2液性ウレタンを下地に使いました。ウレタンのままでも見た目の艶はカシューに劣る物では有りませんが、前にも書いた通り手触りが違うのでウレタンの上にまたカシュー塗料を被せました。
この遣り方はカシュー塗料を使う時の常套手段だそうですが、補修する事を考えれば良くないと思います。下地から全て同じ塗料を使った方が、仮に下地まで到達する様な傷でも容易に直せると思います。でも、仕上がらないのでは何とも。だから、敗因と書いたのです。
しかし、そんな造り手の戯言はともかく、綺麗なハンドルノブに仕上がりました。黒檀の杢の茶と黒が光の具合で色々な表情を見せてくれます。ここまで時間を掛けて悪い物で終わらす訳にはいかないのでプレッシャーは半端では無かったですが。良い感じです。