釣行記2013.6.29

六月最後の週末。前日までの強い雨で、どのくらい増水しているのか一抹の不安を抱えて車を走らせて行く。天気予報は朝まで雨が残るものの、次第に晴れるとの事。都合の良い事は直ぐに信じてしまう。山沿いどころか山間がどうなのかなどとは考えない。
道すがら覗くと、枝沢は遣れそう。保険が掛かった事に少しだけ安心して更に車を走らせる。が、バリケードが有る。まさかの通行止め?かと思っていたら直ぐに男性がやって来て、誰かと無線機で話しをした後、バリケードを外してくれた。山腹で何かの作業を行なっている様。こちらは遊びなので妙に恐縮してしまう。
目指す場所に着くと直ぐに支度をして川に降りて行く。水の高さはかなりのもので、釣り上がれるかどうかは分からないが兎に角投げたかった。
いつもは細い流れが一変、どこにでも魚がいる気がする。が、そんな筈は無いので、記憶の中の川底の様子を今の状況と重ねてみたりするものの良く思い出せない。まあいい、投げれば判る(笑)。
太い流れに向けてキャスト。いつものアップはやらない。クロス、ちょいアップからちょいダウンに巻いて来る。笹濁りと増水。足元までストライクゾーンと勝手に決めている。
クロスからちょいダウンになる瞬間にハンドルがバイトを知らせる。合わせ!じっ。ぐんぐん。幸先良くキャッチ。流れを味方に付けて、サイズ以上の引きを楽しませてくれる。七寸ちょいの元気なアメゴ達を此処では四匹キャッチ。遡行不可の為、場所移動とする。
二ヵ所目は先程の流れの直ぐに上流。要するに廻り道をした訳で、さっきの続きを楽しもうと言う甘い釣人。
いつもは釣り上がる所を釣り下がる。今日なら正解。クロスメインで下がって行く。しかし、水が増えている。上流の天気予報は知らない。更に濁りが笹濁りから茶色になる。諦めて車に戻る事にする。
どうする?枝沢に逃げるか?枝沢?いや、もしかしてこの濁りは枝沢からかもしれない。しかし水は多くなっている。
とりあえず少し上流の様子を伺う。なるほど、予想通り濁りは枝沢からのもの。後は水位の問題。何とか遣れそうな所に入る。ポイントが狭い。渇水で狭いのとは違う。流せる範囲が狭い。ダウンクロスメインで釣り上がる。無理が有る。どうにか一つだけ顔を見せてくれたがこれ以上は危険と判断して車に戻る。
車を走らせながら考える。枝沢かな。
枝沢が嫌いな訳では無いのだけれど今のこの状況は上手くすれば尺を手にするチャンス。
車は枝沢に向かうものの気持は眼下の太い流れから離れない。途中で車を止める。
ここなら遣れる。ワンポイント目掛けて降りる。
何処かにいるとは思うがポイントが広すぎる。それなりに考えて、食い気が有るとすればあそこか。ポイント目掛けてクロスからダウンクロスにミノーを通すが浅い。アップに投げ入れて根掛かり覚悟でナチュラルドリフト。クロスからダウンクロスになる瞬間。朝と同じシチュエーションだ。ぐん。合わせ!じじじ。ドラグは予め強めに締めていた。白銀の魚体が踊り出る。バレない。筈。根拠は、今日は一匹もバラしていない。初めてのバラシがこいつなら余りにも酷。バレないで欲しい。本音が出る。
願いがかない無事にキャッチ。尺にあと少し。
夏には此処は鮎の釣り場になる。終盤のカナツキから逃れて秋を迎えて欲しい。そして、出来ればその頃にまた会えればと願うわがままな釣人。
この一匹に満足し、川を後にする事なく枝沢に向かうあたりが流石で(笑)、くたくたになるまでアメゴ達に遊んでもらった週末でした。